オリジナルテキスト

★どうやったら英語ってペラペラになるの?

職業柄、どの英語教師もこの質問は何度となく受けるものです。年齢、学習環境、個人的能力差、モチベーション、必要性、学習方法、教材、教師の質などさまざまな要素が関係してくるので、全員に当てはまるようなこれという1つの答えはないというのが正しい答えになるでしょう。しかし、学習者はそれでは納得いきません。いつだって具体的な答えを求めています。よって各教師は指導している目の前の生徒にとってどういうアプローチが一番効果的かを考え答えを追求する事が求められます。私は約20年間、塾、英会話スクールでの英語指導に関わってきましたので学生、社会人、海外旅行を楽しみたい方、もしくは自己研鑽の一環として英語を話せるようになりたい方たちなど日本語を母語とするおとな(中学生以上)が指導対象になります。対象がおとなか子どもでレッスンスタイルは大きく変わります。母語(日本語)の干渉が少なくクリティカルピリオドと呼ばれるまだ母語が完全に定着するまでの第二言語学習に適切な学習期間の中にいる年齢の若い子ども(大体12歳くらいまで)は、ネイティブのような発音を手に入れやすい環境にあり、大量の時間、英語を話す環境に身を置く事で徐々に赤ちゃんが母語を習得するように英語を身につけていくという仮説が唱えられています。事実、家族でアメリカに転勤して1,2年も経てば子どもは英語がペラペラになっているという話はよく聞くものです。その一方でその子どもの親は片言の英語しか話せないままというケースも多く聞かれます。英語と触れる時間の差も1つの原因と考えられますが、おとなは長年の習慣で身に染みついた母語(日本語)の発音や語順に引っ張られてしまう傾向があるためです。しかし、一方でおとなは認知能力が高く、こどもよりも早く言葉のしくみを理解出来るという研究成果が出ています。つまり、日本語と英語の違いを感覚ではなく頭で理解する事で効率よく吸収する事が出来るわけです。発音にしても、こどものように聞いた音をそのまま真似するような感覚は持ち合わせていませんが、母語を軸に英語との違いを頭で理解した上で舌の位置などを意識しながら練習する事でネイティブに近い音を出す事が出来るようになります。そして、正しい語順、発音で話せるようになれば後は量の問題になります。たくさんインプット(聞く、読む)とアウトプット(話す、書く)を続ければ最終的なゴールである流暢さが生まれてきます。そうしていくうちに英語話者の持つ感覚、文化的違い、価値観の違い、語用論(言葉の裏にある話し手の意図)などが身についてきます。話はもどり、ではおとなは具体的に何をすれば英語が上達するのでしょうか? 英語マスターに必要な要素は大きく3つ。1. 言語的知識(@『発音』A『語彙』B『文法』)、2. 大量のインプット(聞く、読む)、3. 大量のアウトプット(話す、書く)。なんのサプライズもない答えに聞こえるかもしれませんがこの3つに集約されるのではないかと思います。よく4技能である聞く/読む/話す/書くを伸ばすことが大切だといわれますが、ではそのために何をすべきかとなるとまずは1. 言語的知識(@『発音』A『語彙』B『文法』)の徹底強化という事になる訳です。では、どうすればそれらを強化出来るのかと聞かれます。本屋さんには英語参考書は山積みされているけれどどれをすればいいのかわからないと。ここで大切なのは、最初にも触れましたが、英語参考書を書いている人がどこにゴールを置いて誰を対象にその本を書いているのかが大切になってきます。文法書の多くは日本における大学受験をゴール、高校生を対象に書かれたものが多いので生活で使うような表現や語彙はほとんど出てきません。これでは、むずかしい文章は読めても意外にパンフレットなどに書かれているようなカジュアルな表現が読めなかったり、簡単だと思われるこども向け番組なども理解出来なかったりする訳です。そこで、私はゴールを『実際の生活において支障をきたすことなくネイティブとやりとりが出来る事』に置き、短時間で効率よく学べる認知能力の高い『おとな』を対象にした上で『おとな発音』と『おとな英文法vol1.〜vol.4』という2種類の本を作成しました。1つは発音を網羅した『おとな発音』という本。もう1種類は『おとな英文法』。これらは全ての文法項目を網羅する事を目指し、大学受験をゴールにした受験生のための『学術書』ではなく、英語を『実技科目』としてとらえ、コミュニケーションの手段として実際に使えるようになる事を目指した『実用書』となっています。つまり、実践力を測ろうとする英検、TOEIC、TOEFL、IELTSなどの資格試験にも通じます。この本をしっかりこなす事が、私の対象としている生徒への「どうすればペラペラになるのか?」という質問に対する1つの答えになります。もちろん、私のスクールに実際に通って頂いてレッスンを提供するのが理想ではありますが、物理的にも通うことが不可能な側面もありそういった方たちのためにわかりやすい形で学習出来るようと作成したのが本書になります。『実践なき理論は空虚』をコンセプトに作った本書を信じて最後までやりきってください。後は、実際にネイティブとコミュニケーションをとったり、テレビや映画など生の素材と触れていけばネイティブに近いレベルまで英語力を高めて行く事が可能です。


★文法ばっかりやったって話せるようにはならない?

過去の読み書き中心の英語教育ではよくないという反省がいつの間にか「文法軽視」へとつながってしまい、時に文法は悪として扱われる事があります。あくまで、「文法偏重」がよくないというバランスの問題であって、『文法』の理解なしに英語を操れるようにはなりません。では、『文法』はなぜ大切なのでしょうか?よく『文法』=「読む/書く」であり、「話す/聞く」には関係ないという勘違いがあります。しかし決してそんな事はありません。『文法』とは『英語話者同士で共有する語順の約束事』と考えて下さい。これは「読む/書く/話す/聞く」4技能全てにおいて重要不可欠な要素になります。例えば「話す/聞く」で言うと、誰かが話し始める時、聞き手は常に英語の語順のお約束事である「主語+動詞」から始まるだろうという心持ちで耳を傾けている訳です。その約束事を無視して「私は日本から来ました。」を日本語語順のまま英語に直して“I Japan from came.”なんて言うと、「???」となってしまう訳です。このように英語話者は『文法』=『英語話者同士で共有する語順の約束事』をもとに相手に自分の気持ちや考えを伝えています。それを、無視してしまうと、ネイティブにランダムに並べられた単語から話者の意図を類推する事を強いる事になります。そして、会話が長くなればなるほど、それはネイティブにとってはストレスになる訳です。このように、『文法』は4技能全てにおいて重要不可欠な要素となります。


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